淡々と図書委員の仕事として本の整理をしながら、視界の隅に映っている水色に思考を向ける。なぜさぼり癖のある俺がこうして図書委員になんてはいって仕事をしているのかと言えば、単純にHRに遅刻したがために勝手に決められたというだけだ。 自分にあてがわれた本をすべてしまって一声かけて帰ろうかと思った時に、再度水色が見えた。ぴょんぴょんはねているがなにをしているのか。
その水色に近づくと、近くには茶色も一緒にあり、小声で会話をしているようだ。その視線が一番上の本棚に向けられていることから、おそらく手が届かないのだろう。この学校の本棚は身長170くらいの人間でも一番上の本棚に届かないくらいの高さがある。脚立かなにかを使えばいいのに、2人のそばに脚立はなかった。
面倒だとは思いつつも、2人に近づく。2人は俺に気がつくことなく、再度ぴょんぴょん跳ね出した。いや、無理だろう。
そっと後ろに近づいて跳ねる本を奪い取ると本棚に差し込んだ
「え」
「……」
「あ、ありがとうございます」
驚いた表情を浮かべる2人を無視し、身体を回転させて図書室をでる。図書委員の相方が声をかけてきた気がするが、気にしない。俺の仕事は終わったのだ。帰らせろ。
____________
降旗視点
図書委員の仕事を黒子とともにしていた時だ。残り1冊となったところでその本をしまう場所が俺たちの届かない場所に合った。脚立を借りようにも、俺たちよりも背の小さい女子が使っていて借りようがない。俺が背を伸ばしても届かないのに、黒子ははねながらしまおうとする。
どうしようかと考えていると、背後から人の気配がした。振り向いた瞬間、その人は手を伸ばし、黒子の持っていた本を奪って本棚にしまった。火神と同じくらいかすこし小さいくらいの身長を持つ人だった。2年生だろうか。少なくとも俺たちの知っている人ではない。
「え」
「……」
「あ、ありがとうございます」
彼は俺たちを見るとすぐに視線をずらして去っていった。ちょっと怖い人かも。水戸部先輩のように無口な人だったなぁ。
「ちょっとくん!?」
女子先輩の声が聞こえ、その方を振り向くと、図書室から出て行った先ほどの人に向けての言葉だったようで。彼はなにも返答せずにいなくなってしまった。
「先ほどの人は……」
「先輩、って言うんだ……」
「そうみたいですね。」
「……って、急がないと部活遅れちゃうよ」
「え、本当ですね。急ぎましょう。」
残りの自分たちの仕事を終えて、とりあえず体育館へと急いだ。
「あいつまたさぼりかああああああああああああああああ」
体育館の扉を開いた瞬間、日向先輩のそんな声が聞こえて思わず黒子と視線を合わせた。
カントクは、携帯を片手に怖い笑顔を浮かべていた。
その水色に近づくと、近くには茶色も一緒にあり、小声で会話をしているようだ。その視線が一番上の本棚に向けられていることから、おそらく手が届かないのだろう。この学校の本棚は身長170くらいの人間でも一番上の本棚に届かないくらいの高さがある。脚立かなにかを使えばいいのに、2人のそばに脚立はなかった。
面倒だとは思いつつも、2人に近づく。2人は俺に気がつくことなく、再度ぴょんぴょん跳ね出した。いや、無理だろう。
そっと後ろに近づいて跳ねる本を奪い取ると本棚に差し込んだ
「え」
「……」
「あ、ありがとうございます」
驚いた表情を浮かべる2人を無視し、身体を回転させて図書室をでる。図書委員の相方が声をかけてきた気がするが、気にしない。俺の仕事は終わったのだ。帰らせろ。
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降旗視点
図書委員の仕事を黒子とともにしていた時だ。残り1冊となったところでその本をしまう場所が俺たちの届かない場所に合った。脚立を借りようにも、俺たちよりも背の小さい女子が使っていて借りようがない。俺が背を伸ばしても届かないのに、黒子ははねながらしまおうとする。
どうしようかと考えていると、背後から人の気配がした。振り向いた瞬間、その人は手を伸ばし、黒子の持っていた本を奪って本棚にしまった。火神と同じくらいかすこし小さいくらいの身長を持つ人だった。2年生だろうか。少なくとも俺たちの知っている人ではない。
「え」
「……」
「あ、ありがとうございます」
彼は俺たちを見るとすぐに視線をずらして去っていった。ちょっと怖い人かも。水戸部先輩のように無口な人だったなぁ。
「ちょっとくん!?」
女子先輩の声が聞こえ、その方を振り向くと、図書室から出て行った先ほどの人に向けての言葉だったようで。彼はなにも返答せずにいなくなってしまった。
「先ほどの人は……」
「先輩、って言うんだ……」
「そうみたいですね。」
「……って、急がないと部活遅れちゃうよ」
「え、本当ですね。急ぎましょう。」
残りの自分たちの仕事を終えて、とりあえず体育館へと急いだ。
「あいつまたさぼりかああああああああああああああああ」
体育館の扉を開いた瞬間、日向先輩のそんな声が聞こえて思わず黒子と視線を合わせた。
カントクは、携帯を片手に怖い笑顔を浮かべていた。