黒子のバスケ

6


新協学園との試合?行きませんでしたがなにか。いえ何でもないです予選ほぼすべてさぼった なんてそんなことははいあります。相田から直々にメール来ました。正邦との試合(つまりIH予選Aブロック準決勝)には必ずこいと。仕方ないので日曜日なのに早めに起きて試合会場にはむかった。まぁ会場についたのはすでに試合が始まっている時間帯だったけど。

「……」
「はよ」
「おはよう……じゃないわよ!もう試合始まってるんだけど!?ユニフォーム着てるんでしょうね?」
「着てこいって言ったの相田だろう」
「言わなきゃこないってどういうことよ!」

ちなみに現在3Qだったりする。コートと見るといい感じに得点を入れている最中だった。ベンチには一年ズがそろっている。火神と視線が合ったけど気にしない。にしても黒子見つけにくいなぁ。

「俺でなくていいじゃないか。」
「この試合でなくても次があるでしょ!」
「秀徳?俺がいなくてもいけるよ」
「あのねぇ!」

ピーッとホイッスルがなり、3Qの終了が告げられた。帰ってきた5人は俺の姿をみて驚くメンバーと怒るメンバーに別れた。

、いい度胸だなぁ?」
「だってPF、火神いるし土田もいるし」
「……」
「……」
「……ほら!取り敢えずベンチ入った入った!」

なにか言われるのがだるくて、ベンチのそばに立ち、壁に寄りかかる。

君、第4Qは」
「でないけど」
「おい」
「なにか問題が起きたら出る」
「……」

日向がなにか問い詰めたそうにしていたけれど伊月に止められていた。
しかしその後4Qが開始し、小金井が負傷して問題発生するのは分かり切ったことだ。



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「あっれ……!?てっきり火神が出ると思ったのに。誰?火神とやりたかったんだけどなー」
「言葉使いがなってないな」
「え?」

たしか、津川だったか。日向の言葉を借りるわけじゃないけどマジで茶坊主だな。

「先輩になんて口きいてんの?」
「えっ」
「もしかしてDFの時俺がこいつ相手すんの?だる」
「さぼろうとしてたやつがなにいってんだ」
「へいへい」

日向にスパン、と頭をたたかれ、さすりながら津川を一度見る。俺が先輩だってことに少なからず驚いているようだけど、それが何だというのか。

「王者は負けない?そんなおとぎ話、あり得る訳がない。勝ち続けることなんて、俺らみたいな凡人にできるわけがないんだから」



「身体冷えないようにすぐ上着着て!あとストレッチは入念にね!」

全員が3時間後の試合に向けてストレッチやらマッサージやら食事やら行っている最中、火神は寝ていた。正直俺は5分程度しか出てないからなにもしなくても問題ないんだよね。
次は秀徳との試合。まぁ出る気はないけどね。この物語は俺がいないはずのものだ。俺が出なくても勝てるのは実証済み。なら俺がさぼっても問題ないだろう?ってね。……ま、それで怒られるんだけど。そういえば雨降るらしいし帰ろうかなぁ

「あの」
「……うん?」

服を着込んで入り口付近に立っていた俺に声をかけてきたのは茶髪の少年、降旗。

「どうぞ」

手にはゼリーが握られ、俺に渡された。とっさに受け取ってしまったが、別にいらないよ俺は?

「……図書委員の図書整理ではありがとうございました」
「……?」

思わずきょとんとしてしまうが、そういえばそんなこともあったか。降旗よりも黒子に目がいってたけど。

「別に」

申し訳ないのでゼリーを口に含み、飲み終えるとそれをゴミ箱へと投げる。それに気がついた相田が文句を言ってくるがしらん。

「って、あんたなんで私服着込んでるのよ!来たときはジャージだったでしょうが!」

……そう、試合前はユニフォームを着てこいという指示だったので上にはジャージだった。が、今は私服。本来ならいけないんだろうけど着てしまった物はしかたない。学生証あるからどうにかなる、といいな。

「秀徳戦、でないよ」
「はぁ!?あのねぇ、君」
「海常戦ではうっかりやっちゃったけど、今回からは無理」
「は?」
「どういう……」


「キセキの世代とかなんて戦いたくないね」


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黒子視点


キセキの世代とは戦いたくない。そういった先輩の目はどこか冷たかった。まるで、過去に見た、帝光と戦った選手たちのようで

「ちょっと……っ」
!」

先輩はただ淡々と、感情なんてないかのように話した。

「俺は、"あいつら"が無冠だとか言われる原因となったキセキの世代は」

きっと、僕が知らないだけなんだ。僕が知らない、覚えていないだけで、先輩は、きっとどこかで

「大嫌いだ」

帝光と、僕たちと戦っている。


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