IF FGO主人公がSN時代に冬木にいたら。

Fate

IF FGO主人公がSN時代に士郎の(義理の)妹として冬木にいたら。
SN=2004年 GO=2015年
GO主人公は「立香」GO時代で19歳(SNで8歳)



私がはじめてサーヴァントと出会った日。きっとそれは、カルデアでのあの日ではない。ずっと、ずっと昔。まだ1人でなにも出来なかった頃。ちょろちょろと兄の後ろを追っていた頃。
もしかしたら、そのときから、私とサーヴァンとの縁は出来ていたのかもしれない。


家のチャイムが鳴って、眠くて閉じてしまいそうなまぶたをこすりながら、玄関の扉を開く。そこで目に入るのは茶色の制服を、それに身を包んだ“お姉ちゃん”だ。
「おはようございます。立香ちゃん」
「おはよう。桜お姉ちゃん。」
お兄ちゃんならまだ起きてないよ、と言えば、お姉ちゃんは微笑んで起こしてきますね、と言った。その言葉に私はうなずいて、着替えるために自分の部屋へと向かう。
兄、衛宮士郎の部屋の前を通り掛かって、そっと扉を開くが、そこには誰もいない。またがらくたいじりでもしているのだろう。そのまま集中してしまって寝てしまったと考えられる。私が居間とかで寝ているとすぐに怒るくせに、そういった所は無頓着だ。しかも危ないから私は近寄らないようにと言われている場所でいつも寝ている。だから起こしに行くのは、いつも桜お姉ちゃんだ。お姉ちゃんが来ないときは自分で起きてくるのを待つ。それから外から大声で呼ぶ。
着替えを済ませてランドセルを手にとって台所に向かうと、すでにお姉ちゃんが台所に立っていた。お兄ちゃんはたぶんお風呂かなにかだろう。
「私もやる!」
「ありがとうございます。お皿を4枚出してもらってもいいですか?」
「はあい!薄いやつ?」
「はい」
ランドセルを近くにおいて台所に入る。手を洗ってからしまってあるお皿を机に置いた。そうすると、お姉ちゃんが焼いた魚をお皿の上にのっける。飾りの野菜を箸でつかんで乗っけたら、居間に運んだ。まだダメだと言われて火を使えないからこういった手伝いしかできない。兄は変に過保護なのだ。
準備を終えると、大河お姉ちゃん(よく来るお姉ちゃんの1人。お兄ちゃんの学校の先生)もやってきて、テレビを見ていた。桜お姉ちゃんの手伝いも終えて、テーブルの前に座る。後はお兄ちゃんが来るだけだ。
すこし待てばお兄ちゃんがやってきて、少し色々あったけれども、変わりない朝が始まった。大河お姉ちゃんが家を出て、桜お姉ちゃんは部活に、お兄ちゃんはそれについていった。さすがに小学校に行くのは少し早いため、洗い終わって乾かしてあったお皿をしまってから家を出た。
学校につけば、友達が声をかけてくれて、勉強と、遊びとで大騒ぎ。学校が終わればまた友達と遊んで、日が暮れる前に家につく。しばらくすればお兄ちゃんが帰ってきて、一緒に夕食の支度をする。そう、それがいつものこと。
___今日までは。



夜間。帰ってこない兄を待ちきれず、大河お姉ちゃんたちも来ないのをいいことに、炊いたご飯に卵を乗っけた。卵かけご飯の完成だ。栄養がどうのこうのってお兄ちゃんは怒るけれど、いないのがいけないのだと責任転嫁する。お風呂も入って、寝る時間になっても兄は帰ってこない。テレビを見ながらぼうっと帰りを待っていたが、眠気には勝てず、気がつけば夢の中に入り込んでいた。

「・・・・・・ったく、・・・・・・で・・・・・・のに」
「し・・・・・・、か・・・・・・は?」
「・・・・・・と。あ・・・・・・たべ・・・・・・な」
夢心地の中、体が揺られて、兄と、誰かの声が聞こえた。けれどそれを知ることも無く、深く眠りに引きずり込まれた。
朝起きれば、そこは見覚えのある自室で。ここに私を運ぶのは1人だけだ。ばたばたと音を立てて居間へ行けば、そこには台所に立つ兄と、知らない女の人がいた。
「・・・・・・んー、お兄ちゃんのお友達?」
「・・・・・・」
女の人は私の言葉に戸惑いの様子を見せ、兄に視線を向けた。
「おはよう、立香」
「おはようお兄ちゃん。お友達?」
「あー・・・・・・じいさんの知り合いみたいでさ、訪ねてきてくれたんだ。」
「おとーさんの?」
「そう」
お兄ちゃんがそう言いながら女の人に視線を向けた。女の人はそれに気がついてうなずく。
「セイバーと言います。シロウの妹なのですね」
「うん。立香です。よろしくお願いします」
「こちらこそ」
ぱっと見た感じ、見たことのない金髪で日本人には見えない。でも普通にお話出来る。日本じゃない所では、別の言葉で話しているって聞いていたのに。
首をかしげながらセイバーさんを見ていたら、ふとお兄ちゃんがこちらに近づく
「そうだ、立香。昨日の夜、」
「お兄ちゃんが帰ってこなかったのがダメ!私悪くないもん。」
きっと昨日の夕食のことだ。もしお兄ちゃんが帰ってこないようだったら、大河お姉ちゃんの所に行くようにと、言われたことがある。たしかにお兄ちゃんが色々お手伝いしてて帰りが遅くなることはあるけど、あそこまで帰ってこないことはなかった。だからぜんぶお兄ちゃんがいけない。
そういう思いを込めてにらみつければ、お兄ちゃんは頬を掻いて、俺も悪かったけどさ、なんて口にした。
すこし黙って、テレビの音だけが部屋に響いた。
「・・・・・・ごめんなさい」
「ああ。俺もごめんな。今度同じようなことがあれば連絡するから」
「うん」
素直に謝れば、お兄ちゃんは笑って頭をなでてくれた。



「お兄ちゃん?」
「立香。なにがあってもこの家から出ちゃだめだ。いいな?」
「・・・・・・うん」
「遠坂、たのむ」
「ええ。わかってるわ。」
「凛ちゃん?」
「大丈夫よ。いい子でね。」
ある日、お兄ちゃんと最近知り合った凛ちゃんが険しい顔をしていた。桜お姉ちゃんが家に来なくなって、セイバーさんもいなくなった日のことだ。
世間ではガス漏れ事故が多く起きていて、殺人事件もあって、なんだかぴりぴりしている時期だったから、お兄ちゃんたちもそうだと思った。
けれどなぜか、2人が遠くにいるような、離れていってしまうような、そんな感じがした。
「・・・・・・かえってくる?」
ぎゅっとお兄ちゃんの洋服を握れば、ぐりぐりと頭をなでられた。そのまま髪が乱れるのも気にせず上を見上げる。
「大丈夫だって。ちょっと用事済ませてくるだけだから。ただもしかしたら何日か空けるかもしれない。冷蔵庫にはいってるおかずを温めて食べるんだぞ」
「・・・・・・うん」
お兄ちゃんの服から手を離せば、お兄ちゃんはにっこり笑って凛ちゃんと共に家を出て行った。この広い家に、私だけ1人だ。
「いってらっしゃい・・・・・・」



「あ、お兄ちゃん?私ちょっと外国でアルバイトしてくる。なんか適正がうんぬんって言われてさー。ちょっとした社会体験?いいじゃん。お兄ちゃんだって大学はロンドンだったでしょう?あーはいはい。凛お姉ちゃんに迷惑かけないようにね。わかってるって。桜お姉ちゃんにも使えてあるもん。え、そりゃ同じ日本にいる桜お姉ちゃんのほうに早く伝えるにきまってるじゃん。ま、そういうことだからよろしく。人助けもほどほどにねー」
携帯の通話終了ボタンを押して、兄との通信を終える。兄にはああいったが、もうすでにアルバイトは開始寸前であり、私はもう日本にいない。ここからしばらく吹雪の中を進まないといけなく、普通の携帯の通話は一切出来なくなるからだ。
「カルデア、だっけ。どんなとこなんだろうねぇ」
誰にも聞こえない独り言をつぶやいて、私は携帯の電源を切った。

「問おう。貴方が私のマスターか」
「・・・・・・私はなぜ10年以上も昔の謎を今解かないといけないんだ・・・・・・!」
「え、立香ちゃんどうしたの?」
「先輩?」
召喚陣の上に立つ英霊、サーヴァントを見て、1人悲しみに明け暮れる。そして10年も昔のあの出来事か呼び覚まされる。あのときはなにも知らないただの小娘だったけれど、こうして今謎が解けるなんて!!
「・・・・・・まさか、シロウの妹ですか!?」
「やっぱりセイバーさん!サーヴァントだったんですか!?」
見覚えのある姿。そしてそれが間違いではないことに少々悲しみを抱いて、私は彼女の前に”マスター”として立った。


「サーヴァント・アーチャー。召喚に応じ参上した」
「アーチャー!貴方が来るのを待ってました!」
「セイバー?キミもここに召喚されている、と、は」
「あははー。凛お姉ちゃんと一緒にいたの見たことあるけどやっぱりサーヴァントだったのかー・・・・・・」
「せ、先輩。しっかりしてください」
「マシュだけが私の癒やし」
「・・・・・・私はまだ真名を名乗ってないな?」
「はい」
「名乗らなくてもわかったよ!?どうりで凛お姉ちゃんがお兄ちゃんの監視してるわけだよ!?人助けにもほどがありすぎませんかね!?」
「・・・・・・ずいぶんはっちゃけていないか?立香」
「うるさい!もう!きてそうそう悪いけどご飯の時間だああああ」
「シロウのご飯ですか!?」
「いや、作れと言われれば作るが、その前にり、いやマスター。状況を説明して、」
「そんなのあと!マシュ、彼の作る調理は本当に絶品だから、一緒に食べよ?」
「は、はい・・・・・・?」


「ぐすっ、お兄ちゃんも凛お姉ちゃんも、そして桜お姉ちゃんもマスターしてたなんて・・・・・・最初の特異点Fで怪しむべきだったんだ・・・・・・ぐす」
「す、すみません・・・・・・ですがシロウは貴方を巻き込まないようにと」
「よくよくきけば他にもお兄ちゃんたちの知り合いいるし・・・・・・」
「なにかしらの縁があったのだろうな」
「もうこれは後でお兄ちゃんたち呼び出すしかない・・・・・・魔術師なんたらに所属してるんでしょ・・・・・・?」
「おそらく凛は。あの未熟者はしらんが」
「今お兄ちゃん、凛お姉ちゃんと一緒にいるから・・・・・・くっそ全部終わったらここに呼び出してやる・・・・・・あー、イリア姉ちゃんもマスターなんだって・・・・・・?やっぱり関係者全員特定しなくちゃ・・・・・・」
「リツカ・・・・・・あ、アーチャー・・・・・・」
「・・・・・・立香。今日のおやつはなにがいい?」
「パンケーキ!・・・・・・はっ、おやつになんて釣られないよ!?食べるけど!」
「ならいつまでもベッドに引きこもってないで、ブリーディングをしてこい。後輩が待ってるぞ」
「・・・・・・はあい。」



「待ってた!超待ってた!」
全てが終わって、ようやく外部との連絡が取れるようになった頃。こちらの要望で何名か人選を決めさせてもらって魔術協会の介入を許可し、その使者がきた。そしてその中に人選した人影を見つけ、思わず叫ぶ。こちらを見て戸惑う兄と凛お姉ちゃんの視線は気にしない。このカルデアで色々強くなった、気がする。
「え、立香?」
「そうです!カルデア最後のマスターは私です!超会いたかったお兄ちゃん!凛お姉ちゃんも来てくれて本当にうれしい!」
「元気そうね。立香」
微笑む凛お姉ちゃんは相変わらずきれいだ。私もお姉ちゃんみたいな美人さんになりたいが、いかんせん顔が幼い。
「はい!ところで聞いてください、私、10年前の謎がこの1年で解けたんです」
「え?」
がしっと兄の腕をつかんで、ある程度ある身長差を背伸びをすることで縮める。
「別にエミヤのことどうのとは思わないけど人助けにもほどがありすぎじゃないですかねお兄ちゃん!?」
「うん?」
「・・・・・・マスタ-。そこまでにしないか」
後方から声が聞こえて兄から離れる。他の使者の人が戸惑っている、と言いたいのだろう。霊体化しているが故に姿は見えないが、聞こえた声に使者がきょろきょろを視線をさまよわせた。そして、お兄ちゃん達は驚いた表情を見せた。
「・・・・・・アーチャー」
凛お姉ちゃんの言葉で、私の後方にアーチャー・エミヤが顕現した。サーヴァントだ、と言ったのは誰だろうか。
「中に入るといい。マスターも、いくら騒いだ所でなにもないことぐらいわかるだろう。」
「知ってるよう。特異点Fが終わったあとで知り合いばんばん出てきた時点で色々諦めてるよう。

・・・・・・とりあえず、改めて自己紹介を。カルデアのマスター、衛宮立香です。はるばるカルデアにようこそおこしくださいました。1つ、カルデアに入るまえにお願いがあります。このカルデアの中には何百ものサーヴァントが人と同じように闊歩しています。どうぞ刺激を与えないようにお願いします。今いる彼のように人間に好意的な者もいれば、ちょっとした気分で切り捨ててしまう者もいますので。どうぞご注意ください。」

2018/06/21

なおこれを書いた時は1部終わってませんでした。



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