学校生活のお約束七題

1

「一体誰がやったんだい!?」
「あーっと……」

体育館裏……否、本校舎と体育館のある校舎をつなぐ廊下のすぐそばにて。そこには怒りをあらわにしている女教員と、目をそらそうとする正座した男子生徒数名、そして呆れたようにその姿を見ている女子生徒数名がいた。他学年から見れば何事かと思う反面、同学年からしてみればまたこいつらかといわれるメンバーだ。
正座する男子生徒らの後方には外と学校を隔てる壁があった。煉瓦の積まれたその壁は、校舎全体をかこっており、学校が閉鎖的空間であることを示していた。しかし、そんな壁はなぜか大穴が開いており、一人くらいであれば余裕で通れてしまうような穴だ。

「あーあ。アヤセ知らなーい」
「当事者でもなんでもないし、あたしら帰ってもいい?」
「白状ものおおおお」
「上杉!真面目に反省しなさい!」
「いや、だからマジ話聞いてくださいよ先生!」

見ていて女性陣は呆れたままその場を後にし、残ったのは正座する男子生徒のみだ。正座しているその1人、上杉は必至に教師に事情を説明しようとするが、教師であり、この正座をしている学生らの担任でもある高見先生はそれを一刀両断する。隣には足のしびれに必至に耐える稲葉の姿があり、さらにその隣には自分は関係ないとでも言うかのように藤堂が座っていた。その様子がさらに教師の怒りを増強させ、スパンッといい音が鳴った。

「なんでもかんでも俺らのせいじゃないんですよ!?今回は本当に違うんですって!」
「だけどこの壁が壊れたときにすぐそばにいたのはあんたたちでしょう?」
「……まぁ、はい」

上杉の言葉に高見先生は少し頭を抱え、きちんと3人と向き合った。

「状況を最初から説明してもらえる?」


_____


「あら?Naoyaたちはどうしたんですの?」
「あいつら?自業自得だから放っておいていいよ」
「なにかしでかしたのか」
「そうそう。南条、あんた一緒にいなくて正解だったねー」
「?」





体育館裏が戦争です
(正確には体育館裏体育館側で、3人の内心面が戦争状態です。)

2014/8/7

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